楢葉町は福島県浜通りの中央やや南側に立地しており、2011 年の原発事故により全町民が 避難を強いられましたが、2015 年 9 月に避難区域が解除され、2020 年 3 月には常磐線が全 線開通したこともあり、かつての町民が徐々に戻りつつあります。町内には弥生時代中期の遺 跡である福島県指定文化財の天神原遺跡の出土品をはじめ、貴重な文化財が町役場に隣接する コミュニティセンター内の歴史資料館に展示されていましたが、震災にて被災し、長らく休館 を余儀なくされました。
東京大学アイソトープ総合センターは、2018 年度より楢葉町において「復興知」事業(※) による教育研究活動を展開しており、町内にサテライトも設置してきました。2019 年度から は東京大学総合研究博物館とも連携し、人材育成の基盤となる拠点として連携ミュージアムの 整備を楢葉町と協力して進めてまいりました。
2020 年 2 月に楢葉町と東京大学総合研究博物館との間で 「収蔵施設と展示事業(仮称 「モバイルミュージアム in NARAHA」)についての協定」が締結され、2020 年度受託研究 「楢葉町におけるモバイルミュージアムの展開可能性と教育効果に関する実証研究」として、 施設構成・展示ストーリーの計画・展示デザインの計画等の研究を行うとともに、資料保管場 所が逼迫していた総合研究博物館の学術標本の一部を楢葉町に移設保管し、楢葉町歴史資料館 を改装して東京大学と楢葉町の双方の資料を合同展示するプロジェクトが発足いたしました。
このたび、それらの成果により「楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム 大 地とまちのタイムライン」として、2023 年 4 月 22 日(土)に開館する運びとなりました。 開館に先立ちまして、下記の通り内覧会と開館式を開催いたします。開館日には特別記念講演 会を行います。
楢葉町と東京大学総合研究博物館双方が所蔵する豊富な資料の中から、「危機~再生~未来 創造」をキーワードに、地球の誕生から現代に至る資料を展示いたします。幾多の危機をむか えながらも、地球そして人類がそれを乗り越えてきたことを知ることで、これからの楢葉町の 未来を創造するための糧となる施設を目指してまいります。
つきましては、本件について記事掲載および取材等を是非お願いいたしたく、ご案内申し上 げます。
(※)「復興知」事業:大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業(2018~2020 年度)、大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業(2021~2025 年度)